ついに、ついに!
印刷所さんから、「CDを発送しました」とのメールが来ました。
ここまで長かった。とっても長かった。
動物と話すことができる女の子と天真爛漫な女の子の物語。
二人は運命の出逢いを果たし、鮮やかに移り変わっていく季節を過ごしていきます。
この物語は二人の大冒険のお話ではありません。
ただ穏やかに暖かく、ときに楽しく、少しだけ悲しい。
そんな二人の日常を追いかけるというお話。
もしかしたら、人によっては退屈だと感じてしまうかもしれません。
それでも私は、この二人の日常をどうしても描きたかったのです。
そもそも「ココロビーダマ。」には原作となる短編小説があります。
それがこちら。
私が同人活動を始めて三冊目に書いた本です。
私には小説というものがわかりません。
小説や文章の勉強もしたことがありませんし、私はバリバリの理系です。
長い文章を書くのが苦手です。
なので、「もしかしたら短編集なら書けるのでは?」
そう思って書いてみた作品です。
この物語には「リーフ」と呼ばれている女の子と、
「きのみ」と呼ばれる女の子が登場します。
もちろん二人には本名がありますが、あえて私は彼女たちをあだ名で呼んでいます。
それは、私が二人を産みだしたきっかけ、起源にまで遡ります。
そのとき、私は中学生になりたてでした。
私は少し夢見がちで、人に合わせるのが苦手な性格でした。
この性格や思春期の複雑な事情が重なり合い、私は不登校になりました。
それだけではありません。
昼夜逆転のほぼ寝たきりの生活を送っておりました。
昼間ずっと寝ていて、夜中に一人きりで過ごす、そんな生活が当たり前でした。
しかし、私は寂しくはありませんでした。
私には空想のお友達がたくさんいましたから、いつもそのお友達たちと楽しくおしゃべりしながら過ごしていました。
その中で生まれたのが、「リーフ」と「きのみ」の元になるキャラクター達でした。
私はそのとき……少しだけ特殊な中二病的なものに罹患しておりました。
というのも、例えば「ライム」とかそういった名詞一文字のお名前が
「かっこいい!イカすぜ!」という幻想に取り憑かれていたのです。
その幻想が解けたのは私が大学生になってからでした。
幻想が解けた私は焦って友達に相談しました。
「彼女たちに本名をつけてあげたい」と。
二人してうーん、うーんと考えた結果、今に至るというわけです。
そのとき私は「本名が決まった!はい、終わり!」とは思いませんでした。
なぜなら、あの深夜のお友達である「リーフ」と「きのみ」はまだ私の中に生きているからです。
あの時間がなければ、彼女たちは今ここにいません。
あの尊い時間と彼女たちに敬意を表して。
私は彼女たちを「リーフ」と「きのみ」と呼んでいるのです。